自転車のお手入れ方法、点検方法について部品ごとに簡単に説明します。
普通車をベースに説明していますのでスポーツ車では異なる部分もあります。
※ 表面の汚れは濡れ雑巾等で拭いてください。ひどい汚れは自動車用のケミカル用品を
  使用するといいと思います。メッキ処理されたフレームは、特にサビ予防のためにも
  ワックスなどをかけておくといいでしょう。

※ 全体を見渡してへこみや歪み亀裂がないかなどチェックしてください。大きな力で何か
  に衝突した場合など、フロントホーク部分(前輪を支持している部分)が曲がってしまう
  ことがあります。そのままでは非常に危険です。ホーク部分のみの交換も可能ですの
  で早めに修理してください。

※ 表面に亀裂やヒビなどないかチェックしてください。接地面の溝が磨り減ってなくなって
  いたらタイヤの交換時期です。

※ 空気圧のチェックは1ヶ月位を目安に。たとえパンクしてなくとも空気は自然に減って
  いきます。適正な空気圧はパンクの予防にも繋がります。(当店に来るパンク修理の
  3割以上が、空気圧の低下が原因のパンクです)

※ 1日〜2日位で空気が減ってしまうなら、バルブの虫ゴム(下記の写真を参考)が
  原因かもしれません。バルブのネジをはずして調べてみてください。

虫ゴム 左が正常な虫ゴムの状態。
右はゴムが裂けて中の金属本体が見えています。
こうなるとジワジワと空気が抜けます。

※ 車輪を空転させ、縦や横に振れていないか、車軸にガタがないかチェックして下さい。
  5mm程度の振れならスポークの調整で修理が可能ですが、大きな衝撃を与えたことに
  よって、かなり振れがひどい場合は、リムの交換が必要です。

※ リム表面の汚れやサビには市販のサビ落し剤を使います。その際、特に前輪のリム
  サイド部分には油脂分やワックスなどがつかないよう注意してください。ブレーキが効
  かなくなるおそれがあります。

※ ブレーキがキィーキィーと異音をたてるからといっても、注油は絶対厳禁です。油を差
  すとブレーキが滑ってしまい、取り返しのつかないことになります。

※ ブレーキレバーに繋がっているワイヤーの根元が切れかけていないか、前輪のブレー
  キゴムが極端に減っていないか点検して下さい。レバーを思い切り握って、ハンドル
  までの間隔が充分にあるかチェックして下さい。(下記の写真参考)

※ ブレーキは非常に重要なパーツです。異常があれば自分で調整せず、なるべくショップ
  で調整して貰って下さい。

正常なブレーキの状態 危険なブレーキの状態 左はレバーの遊びも適度にあり正常な状態。右は遊びが多くハンドルまで届いていて危険な状態。

※ ペダルを回転させて、チェーンがフレームやチェンケースに当たって音がしないか調
  べます。異音がする場合、チェーンが伸びてたるんでいます。そのままで使用すると
  走行中に外れたりしますので、調整が必要です。

※ チェーンには定期的な注油が必要です。市販のスプレー式オイルなどを使うと楽に
  注油できます。その際ブレーキ部分に付着しないよう十分に注意して下さい。

※ シティタイプの場合チェーンは露出しているので注油も簡単です。ファミリータイプの
  場合、ケース後方部分にある小さなネジを外して、ふたを開けるとチェーンが見える
  ので、そこから注油します。(下記の写真参考)
  わからない場合は、ショップで注油してもらって下さい。

ケース閉状態 ケース開状態 右図のようにケース後部を開けるとチェーンが見えて注油できます。

 注:車種によっては開かないものもあります。

※ スタンドにガタがないか、自転車を立てた時に適度な角度になるかなどチェックします。

※ 動きがスムーズでない場合は可動部分に注油をおこないます。

※ サドルを両手で持って前後左右、上下に力を入れてガタつかないか。調べます

※ サドル上面は地面と平行が基本です。前や後が上がっていたりすると、走行中にお尻
  がずれたり股間が痛くなったりしますので調整しましょう。

※ 表面の汚れやサビはサビ取り剤などを使用します。にぎり部分(グリップ)のゴム製品
  の手垢などは、家庭用中性洗剤などで落とせます。

※ 前輪を前から両足ではさみ固定して、両手でハンドルを持ち左右に強くひねって動かな
 いか調べます。ハンドル取付に緩みがあるとブレーキ時に動いたりして危険です。

※ 付属のベルなどの動きが悪い場合は、スプレー式オイルのノーズを内部に差し込んで
  注油してみましよう。スムーズになる場合があります。

※ 全般的に自転車のお手入れには、前述の家庭用や自動車用のケミカル製品が便利
  です。汚れきってしまって触るのがイヤになってしまう前に手入れしていけば、10年
  でも自転車はもちます。

※ 少しでも異常や異音がしたら、早めにショップに持ち込んで調べてもらいましょう。
  人間の風邪のひき始めと同じで、自転車も手遅れになると結局高くついたり、
  危険な目にあったりします。


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